2つのルールは同じ式
老後資金の目安としてよく使われる考え方が2つあります。
- 25倍ルール: 目標額はおおよそ 年間支出の25倍
- 4%ルール: 初期資産の 4% を毎年引き出す考え方
どちらも Bengen 型の安全引き出し率研究や Trinity Study と同じ流れの考え方です。計算上は同じで、1 ÷ 4% = 25 です。
年間支出が $60,000 なら目標は約 $1.5M。年間 $40,000 なら約 $1M。支出を20%下げると、必要資産も20%下がります。
目標までの距離を試算する
現在の貯蓄、毎月の拠出額、退職年齢を入力して試算できます。初期設定はリターン7%、インフレ3%、65歳退職です。
4%ルールの意味
4%ルールは、退職1年目に資産の4%を引き出し、その後は同じ金額をインフレに合わせて増やすという考え方です。過去の多くの30年期間では、この方法で資産が尽きにくかったとされます。
前提は次の通りです。
- 株式比率 50-75%
- 退職期間 30 年
- 税制優遇口座からの引き出し
ただし、次の点は完全には解決しません。
- 30 年を超える長い退職期間
- 退職直後に市場が下落する sequence-of-returns risk
- 年齢とともに支出が変わること
FIRE のような早期退職では、3.25-3.5%、つまり 年間支出の28-31倍で見る人も多いです。60代後半の一般的な退職なら、4% はまだ有用な出発点です。期間が短い、または支出を柔軟に調整できるなら 4.5-5% が使えるケースもあります。
年齢別の貯蓄目安
Fidelity は 年齢別の退職貯蓄目安 を年収の倍率で示しています。
| 年齢 | 年収に対する目標倍率 |
|---|---|
| 30 | 1× |
| 35 | 2× |
| 40 | 3× |
| 45 | 4× |
| 50 | 6× |
| 55 | 7× |
| 60 | 8× |
| 67 | 10× |
40歳で年収 $80,000 なら、$240,000 がひとつの目安です。これは67歳退職、株式中心の長期運用、雇用主 match を含む約15%の拠出を想定しています。401(k) calculator でも近い前提で確認できます。
遅れていると感じても、まずは拠出率を毎年 1-2 ポイント上げることが現実的です。複利の記事 で、数年の差がなぜ大きくなるかを確認できます。
Social Security も忘れない
Social Security Administration によると、2026年 COLA 後の retired worker の平均給付は約 $2,071/月(年 $24,852)です。2026年に full retirement age で受給開始する場合の最大給付は $4,152/月です。
最新の数字は SSA 2026 COLA fact sheet で確認できます。
この収入がある分、投資資産が負担する支出は減ります。年間支出 $60,000、Social Security が年 $24,000 なら:
- ポートフォリオが負担するのは $36,000/年
- 25倍で $900,000
Social Security を無視する場合より、目標額は 40% 低くなります。中所得層では、給付が退職前所得のかなりの部分を置き換えます。
インフレを甘く見ない
30 年間 3% のインフレが続くと、生活費はほぼ2倍になります。今の年間 $60,000 の生活は、30 年後には名目で約 $145,000 必要になる可能性があります。
そのため 4% ルールでは、引き出し額をインフレに合わせて増やします。「将来も毎年 $50,000 で暮らす」と固定額で考えると、後半の支出を過小評価しがちです。
長期の購買力維持には株式などの成長資産が重要です。債券、現金、CD ladder は短期支出や下落局面への備えに役立ちますが、長期成長の源泉は別に必要です。
FIRE では何が変わるか
FIRE も同じ式を使いますが、主に2点が違います。
- 貯蓄率が高い — 収入の 40-70% を貯める例もあります
- 引き出し率が低い — 長い退職期間に備え 3.25-3.5% を使うことが多いです
30歳、年収 $100,000、貯蓄率50%なら、7%リターンで約 17年 で経済的自立に近づけます。同じ人が15%しか貯めない場合、約 40年 かかることもあります。蓄積期では、運用利回りより貯蓄率の影響が大きいです。
よくある失敗
- 根拠のない丸い数字を目標にする。 $1M は支出 $40k なら十分でも、$80k では足りません
- 市場が平坦だと仮定する。 退職直後の下落は計画に大きく響きます
- Medicare 前の医療費を低く見る。 早期退職では月 $1,000-$2,000 かかることがあります
- 昇給時に拠出率を上げない。 1%ずつでも退職時期に差が出ます
まとめ
- 25倍ルールと4%ルールは同じ式です
- Social Security を含めると、必要額が下がる人は多いです
- FIRE では 3.25-3.5% の保守的な引き出し率を使います
- 蓄積期は貯蓄率が最も重要です
- 30年のインフレで生活費は大きく増えます
- 上の計算ツールで、拠出率を 1-2% 上げた場合を試せます