老後資金はいくら必要か

25倍ルール、4%ルール、無料の退職計算ツールで老後資金を見積もります。Social Security、インフレ、FIREの考え方も含めて解説します。

2つのルールは同じ式

老後資金の目安としてよく使われる考え方が2つあります。

  • 25倍ルール: 目標額はおおよそ 年間支出の25倍
  • 4%ルール: 初期資産の 4% を毎年引き出す考え方

どちらも Bengen(1994年)の安全引き出し率研究や Trinity Study(1998年)と同じ流れの考え方です。計算上は同じで、1 ÷ 4% = 25 です。

年間支出が $60,000 なら目標は約 $1.5M。年間 $40,000 なら約 $1M。支出を20%下げると、必要資産も20%下がります。

目標までの距離を試算する

現在の貯蓄、毎月の拠出額、退職年齢を入力して試算できます。初期設定は、30歳で毎月 $800 を積み立てて65歳で退職、退職前リターン7%・退職後4%、インフレ2.5%です。支出は現在価値で入力し、毎年インフレ分だけ増やして計算するため、初期設定では80歳ごろに資金が尽きます。毎月の積立額を増やして、どこで差が埋まるか試してください(月 $1,500 なら90歳以降まで持ちます)。

入力

現在価値で入力。今年から毎年、インフレ率に合わせて自動で増額します。

結果

65歳時点の残高

$1,590,404

現在価値で約$670,150

80歳で資金が尽きる見込みです

積立合計

$356,000

運用益

$1,234,404

取り崩し合計

$2,142,289

90歳時点の残高$0
年齢フェーズ入出金残高
31積立期+$9,600$31,360
32積立期+$9,600$43,516
33積立期+$9,600$56,522
34積立期+$9,600$70,439
35積立期+$9,600$85,330
36積立期+$9,600$101,263
37積立期+$9,600$118,312
38積立期+$9,600$136,554
39積立期+$9,600$156,073
40積立期+$9,600$176,958
41積立期+$9,600$199,305
42積立期+$9,600$223,217
43積立期+$9,600$248,802
44積立期+$9,600$276,179
45積立期+$9,600$305,472
46積立期+$9,600$336,815
47積立期+$9,600$370,352
48積立期+$9,600$406,237
49積立期+$9,600$444,634
50積立期+$9,600$485,719
51積立期+$9,600$529,679
52積立期+$9,600$576,717
53積立期+$9,600$627,047
54積立期+$9,600$680,901
55積立期+$9,600$738,524
56積立期+$9,600$800,181
57積立期+$9,600$866,154
58積立期+$9,600$936,745
59積立期+$9,600$1,012,277
60積立期+$9,600$1,093,097
61積立期+$9,600$1,179,574
62積立期+$9,600$1,272,104
63積立期+$9,600$1,371,112
64積立期+$9,600$1,477,050
65積立期+$9,600$1,590,404
66取り崩し期-$118,660$1,532,804
67取り崩し期-$121,627$1,469,870
68取り崩し期-$124,667$1,401,312
69取り崩し期-$127,784$1,326,829
70取り崩し期-$130,979$1,246,102
71取り崩し期-$134,253$1,158,802
72取り崩し期-$137,610$1,064,581
73取り崩し期-$141,050$963,076
74取り崩し期-$144,576$853,910
75取り崩し期-$148,190$736,684
76取り崩し期-$151,895$610,985
77取り崩し期-$155,693$476,379
78取り崩し期-$159,585$332,412
79取り崩し期-$163,574$178,611
80取り崩し期-$167,664$14,481
81取り崩し期-$14,482$0
82取り崩し期-$0$0
83取り崩し期-$0$0
84取り崩し期-$0$0
85取り崩し期-$0$0
86取り崩し期-$0$0
87取り崩し期-$0$0
88取り崩し期-$0$0
89取り崩し期-$0$0
90取り崩し期-$0$0

4%ルールの意味

4%ルールは、退職1年目に資産の4%を引き出し、その後は同じ金額をインフレに合わせて増やすという考え方です。過去の多くの30年期間では、この方法で資産が尽きにくかったとされます。

前提は次の通りです。

  • 株式比率 50-75%
  • 退職期間 30 年
  • 税制優遇口座からの引き出し

これらは米国の株式・債券の過去データによる検証結果で、過去にうまくいった方法を示すものです。将来の市場でも同じ結果になる保証はありません。

ただし、次の点は完全には解決しません。

  • 30 年を超える長い退職期間
  • 退職直後に市場が下落する sequence-of-returns risk
  • 年齢とともに支出が変わること

FIRE のような早期退職では、3.25-3.5%、つまり 年間支出の28-31倍で見る人も多いです。60代後半の一般的な退職なら、4% はまだ有用な出発点です。期間が短い、または支出を柔軟に調整できるなら 4.5-5% が使えるケースもあります。

年齢別の貯蓄目安

Fidelity は 年齢別の退職貯蓄目安 を年収の倍率で示しています。

年齢年収に対する目標倍率
301×
352×
403×
454×
506×
557×
608×
6710×

40歳で年収 $80,000 なら、$240,000 がひとつの目安です。これは67歳退職、株式中心の長期運用、雇用主 match を含む約15%の拠出を想定しています。401(k) calculator でも近い前提で確認できます。

遅れていると感じても、まずは拠出率を毎年 1-2 ポイント上げることが現実的です。複利の記事 で、数年の差がなぜ大きくなるかを確認できます。

Social Security も忘れない

Social Security Administration によると、2026年 COLA 後の retired worker の平均給付は約 $2,071/月(年 $24,852)です。2026年に full retirement age で受給開始する場合の最大給付は $4,152/月です。

最新の数字は SSA 2026 COLA fact sheet で確認できます。

この収入がある分、投資資産が負担する支出は減ります。年間支出 $60,000、Social Security が年 $24,000 なら:

  • ポートフォリオが負担するのは $36,000/年
  • 25倍で $900,000

Social Security を無視する場合より、目標額は 40% 低くなります。中所得層では、給付が退職前所得のかなりの部分を置き換えます。

インフレを甘く見ない

30 年間 3% のインフレが続くと、生活費は約2.4倍になります。今の年間 $60,000 の生活は、30 年後には名目で約 $145,000 必要になる可能性があります。

そのため 4% ルールでは、引き出し額をインフレに合わせて増やします。「将来も毎年 $50,000 で暮らす」と固定額で考えると、後半の支出を過小評価しがちです。

長期の購買力維持には株式などの成長資産が重要です。債券、現金、CD ladder は短期支出や下落局面への備えに役立ちますが、長期成長の源泉は別に必要です。

FIRE では何が変わるか

FIRE も同じ式を使いますが、主に2点が違います。

  1. 貯蓄率が高い — 収入の 40-70% を貯める例もあります
  2. 引き出し率が低い — 長い退職期間に備え 3.25-3.5% を使うことが多いです

30歳、年収 $100,000、貯蓄率50%なら、実質リターン5%(インフレ控除後)で約 17年 で経済的自立に近づけます。同じ人が15%しか貯めない場合、約 43年 かかることもあります。蓄積期では、運用利回りより貯蓄率の影響が大きいです。

よくある失敗

  • 根拠のない丸い数字を目標にする。 $1M は支出 $40k なら十分でも、$80k では足りません
  • 市場が平坦だと仮定する。 退職直後の下落は計画に大きく響きます
  • Medicare 前の医療費を低く見る。 早期退職では月 $1,000-$2,000 かかることがあります
  • 昇給時に拠出率を上げない。 1%ずつでも退職時期に差が出ます

まとめ

  • 25倍ルールと4%ルールは同じ式です
  • Social Security を含めると、必要額が下がる人は多いです
  • FIRE では 3.25-3.5% の保守的な引き出し率を使います
  • 蓄積期は貯蓄率が最も重要です
  • 30年のインフレで生活費は大きく増えます
  • 上の計算ツールで、拠出率を 1-2% 上げた場合を試せます

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